福岡の園バス死亡、県が調査公表 「1人送迎」が8施設
朝日新聞デジタル 2021/8/25(水) 10:00配信
福岡県中間市の双葉保育園で男児が送迎バスに閉じ込められて熱中症で死亡した事故を巡り、県は24日、保育施設でのバス送迎などに関する実態調査の結果を県議会に報告した。県は9月中旬にも、結果をもとにバス送迎の方法を定めた指針をつくり、今後の定期監査の項目に加える。
調査は、認可外を含む保育所や認定こども園など県内の全保育施設(2204施設)を対象とし、2030施設が回答した。
バス送迎をしていた239施設のうち8施設が、双葉保育園と同様に運転士が1人でバスを運行していた。8施設では最大6人の園児を乗用車や軽乗用車に乗せていた。バス送迎の手順を示すマニュアルを用意していたのは136施設にとどまった。
双葉保育園でも複数人での送迎を定めたマニュアルはあったが、県の聞き取りでは、園長を含む多くの職員がその存在を知らなかった。県は「バス送迎へのチェック態勢がなかった」と指摘し、再発防止に向けた指針作りが不可欠とした。
欠席連絡がないまま園児が休んだ際の対応では、100施設が保護者に確認せず、7施設では職員間で出欠状況の共有をしていなかった。「通常は確認するが、無断欠席が頻繁にある園児には確認していない」とした施設もあり、県は「子どもの状況確認は保育施設にとって基本」として、今後は登園時の出欠管理を徹底するよう周知する。
双葉保育園では7月29日、園児(5)が園に到着してから9時間近く送迎バス内に閉じ込められ、死亡した。園長が1人でバスを運行しており、県の聞き取りでは、園長は園児が最初に降車したと思い込んで車内の確認をせずに施錠したと説明。担任保育士も、園児が登園していないことを園長や保護者に確認していなかった。(神野勇人、松沢拓樹)